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国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所

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グローバルリサーチコミュニケーションプロジェクト

グローバルリサーチコミュニケーションプロジェクトでは、日本の食生活や食文化の特性を踏まえ、食品・飲料メーカーの取組を適切に評価できる仕組みの検討を行っています。これにより、グローバルな展開につなげていくことを目指します。

プロジェクトの背景


 食品企業による「より健康的な食品」の開発・製造への期待

  • 東京栄養サミット(2021)にあわせて公表されたN4G Investor Pledge(N4G投資家宣言)では、世界の大手機関投資家53機関(日本では4機関)が署名し(合計運用資産12.4兆米ドル) 、食品・飲料メーカーに対して、栄養プロファイリングモデルを活用した健康的な食品の定義づけ、健康的な食品の売上比率の年次報告等が求められました。
  • パリ栄養サミット(2025)では、ビジネスと栄養に着目したParis Declaration on Business & Nutrition 2030が公表され、民間セクター、政府、投資家、市民社会、そして国際機関が、より健康的で持続可能な栄養経済を構築するための2030年までのロードマップが示されました。栄養経済の強化は、システム、人口、製品の3つのレベルで影響を及ぼすとし、それぞれがアクションを起こすことが求められました。
  • 2021年に厚生労働省がとりまとめた「自然に健康になれる持続可能な食環境づくりの推進に向けた検討会報告書」においても、人々がより健康的で持続可能な食生活を送ることができるよう、人々の食品へのアクセスと情報へのアクセスを整備していくには、中でも事業者の役割が重要となるとしています。

 ATNiによる食品・飲料メーカーの評価

  • ​​オランダの非政府組織であるAccess to Nutrition initiative(ATNi)は、世界の大手食品・飲料メーカーの栄養に関する企業方針や取組、実績等の評価を行っており、企業の栄養に関する取組の改善、強化等に活用されています。

【日本版栄養プロファイリングモデル】の開発・公表

  • 2024年9月に国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所の研究グループが厚生労働行政推進調査事業費補助金により、国立研究開発法人としての公平的・中立な立場から、日本の食文化や栄養課題を踏まえた日本版栄養プロファイリングモデルを開発・公表しました。

食品企業の取組を評価する意義


食品企業の健康づくりへの貢献(努力)が客観的に評価され、可視化される

  • 食品企業が自らの取組をアピールできる資料となります。
  • 企業戦略の進捗が判断可能となり、投資家・市場のESG投資の判断に活用できます。
  • 健康的な食品を求める消費者の支持を得ることにより、売上増につながります。

食品企業の取組を評価することにより期待される成果


  • 国内企業に具体的なメッセージが発信されます。

• 健康的な食品の開発・提供に積極的な企業が評価され、業界全体の底上げを促進。
• 食品企業の積極的な情報開示を促進。

  • ステークホルダーへのメッセージが発信されます。

• 栄養課題への取組をESGの一環として可視化し、国内外の投資家の関心を喚起。
• 日本市場が対象であることにより、国内の様々なステークホルダーの関心を喚起。

【参考資料】
厚生労働省:健康的で持続可能な食環境戦略イニシアチブ(金融機関向け資料・食品関連事業者の経営幹部層向け資料)

  • 消費者の健康づくりにつながります。

• 健康的な食品を入手しやすくなることにより、健康の保持増進、QOLの向上、活力向上 。                                                                                                                                                    

 

 

食品企業の取組の評価の作成・公表:食環境の好循環を作るためのツール


  • 食品企業の取組の評価を作成・公表することによって、金融機関は、栄養面に配慮した企業への投融資が可能となります。
  • 事業者は、自社の現状を客観的に知り、「より健康的な」製品の開発等につなげることができます。その結果、「より健康的な」製品や適切な情報が出回ります。
  • 生活者(消費者)は、「より健康的な」製品を選択しやすくなり、健康の保持増進・生活習慣病の予防、QOLの向上につなげることができます。