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避難所の規模は、避難所の食事改善に関連しているのか?
概要 避難所は学校や公民館のような指定避難所もあれば、個人宅等で自然発生的にできた避難所もあり、避難所規模には大きな差があります。このような避難所規模の差が、避難所で提供される食事にも影響するのかを明らかにするため、東日本大震災から約1か月後の避難所を調査しました。調査をした避難所は、宮城県A市内に開設されていた全避難所、81施設でした(回答率100%)。
結果 有効回答を得た避難所69施設において、最も小さい避難所では2人、最大規模の避難所は1100人の避難者がいました。避難者が少ない避難所(25人未満)、避難者数が中程度の避難所(25~80人)、避難者が多い避難所(80人超)の3分位で比較したところ、食事の提供状況に差がありました。避難者多い避難所では、ガスを使用できない避難所が多く、調理ができない避難所が多いことがわかりました。また、避難者が多い避難所では、食事の提供回数が少ないこともわかりました。
この研究から考えられること 災害時の食事状況を早期に改善させるためには、避難所あたりの避難者数を多くしすぎないことが重要であることがわかりました。
本研究の論文
Nobuyo Tsuboyama-Kasaoka, Yuko Hoshi, Kazue Onodera, Shoichi Mizuno, Kazuko Sako. What factors were important for dietary improvement in emergency shelters after the Great East Japan Earthquake? Asia Pac J Clin Nutr 2014;23(1):159-166.