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食品表示のための栄養参照量と日本の栄養基準、栄養摂取量の比較
食品表示のための栄養参照量(NRVs)の日本における現状を調べるためで、コーデックス委員会で合意されたNRVs、日本の栄養素等表示基準値2015、日本人の食事摂取基準(DRIs-J)2015および現在の日本人における栄養摂取量の比較を行いました。
結果
・たんぱく質 日本のNRV(81g/日)はコーデックスのNRV-R(NRV-Requirement、50g/日)に比べ高い値でした。 ・葉酸、カルシウム 日本のNRVsは、コーデックスのNRV-Rと比較して低値でしたが、日本人の食事摂取基準値、現在の日本人の摂取量と近い値でした。 ・ビタミンK 日本の値は高値でした。 ・鉄 コーデックスと日本で算出方法に違いがあり、成人男女全体の基準値から算出されたコーデックスのNRV(14mg(吸収率15%)または22mg(吸収率10%))に比べて、有経女性の基準値を除外して算出された日本のNRV(6.8mg)は低値でした。実際の日本人の鉄摂取量も低値でした。 ・ナトリウム コーデックスNRV-NCDと比較して、日本のNRVは高値でしたが、食事摂取基準値に基づいていました。 ・カリウム 日本のNRVは低値でしたが、食事摂取基準値に基づいていました。
コーデックスと日本のNRVsとの間に差が見られる栄養素については、今後さらなる検討が必要と考えられます。

本研究の論文
Nobuyo Tsuboyama-Kasaoka, Hidemi Takimoto, and Yoshiko Ishimi.Comparison of Nutrient Reference Values for Food Labeling in Japan with CODEX Recommendations, Based on DRIs and Nutrient Intake in Japan. J Nutr Sci Vitaminol. 2019;65:102-105. doi:10.3177/jnsv.65.102