医薬基盤研究所(NIBIO)のお知らせ
「研究評価に関するサンフランシスコ宣言」(DORA)に署名
2021年10月14日
医薬基盤・健康・栄養研究所(以下、医薬健栄研)は、2021年9月9日、研究評価の改善を求めた「科学的成果が正確に測定され、賢明な方法で評価する」ための一連の勧告である研究評価に関する「DORA(San Francisco Declaration on Research Assessment、サンフランシスコ研究評価宣言)」に署名しました。
DORAの勧告では、個々の研究者の雇用、任期、昇進や研究費の助成を決めるにあたり、その研究者を評価する際に、個々の研究論文の質をはかる方法として、インパクトファクターのような雑誌ベースの数量的指標を用いないことを機関に求めています。勧告の中で、研究成果の評価の中核は査読付き研究論文であることは今後もかわりはありませんが、その論文が掲載された雑誌がどのようなものであるかということよりも、その論文の科学的内容の方がはるかに重要であることを強調しています。また、研究論文以外の成果の重要性が今後ますます重要になっていくことを踏まえ、研究発表物に加えて、政策への提言や実用化への影響といった指標、データセットやソフトウェア開発への貢献を含む、多様な観点から、研究成果の価値とインパクトを検討し、幅広い評価基準を考慮することが重要であるとしています。
医薬健栄研では、DORAの署名に至るまで、研究構想に関する委員会の中で検討を進めてきました。その結果、DORAに署名することで、医薬健栄研として、研究所の理念やミッションと照らし合わせて、質的に幅広い観点で研究を評価していくことが可能であると判断しました。この署名を通して研究論文が掲載された雑誌の数量的指標によって研究を評価するのではなく、研究の質(その論文の科学的内容)によって評価するという文化の醸成に向けて歩み出しました。
【参考情報】 研究評価に関するサンフランシスコ宣言の全文(日本語)は次のとおり。 |
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