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ホーム > 医薬基盤研究所(NIBIO)のお知らせ > 新たながん治療法の開発につながる「エピトープ領域架橋型バイパラトピック抗体」の創製―1:1結合デザインによるTNFR2アンタゴニストの高機能化―

医薬基盤研究所(NIBIO)のお知らせ

新たながん治療法の開発につながる「エピトープ領域架橋型バイパラトピック抗体」の創製―1:1結合デザインによるTNFR2アンタゴニストの高機能化―

2023年11月 1日

国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 (大阪府茨木市、理事長:中村祐輔、以下「NIBIOHN」(ニビオン)という。) 創薬デザイン研究センター(CDDR)を中心とする京都大学、大阪大学、東京大学との共同研究グループは、新たながん治療法の開発につながる、2型腫瘍壊死因子受容体(TNFR2)の機能阻害剤(アンタゴニスト)として、卓越した機能を示すエピトープ*1領域架橋型バイパラトピック抗体(BpAb)の創出に成功しました。

BpAbとは、天然型の抗体では同時にアクセスできない、標的分子の2つの異なる抗体結合部位(エピトープ)に結合するように改変された、人工の二重特異性抗体です。天然の抗体は、目的のアンタゴニスト機能と、受容体活性を促進する機能(アゴニスト機能)が混在し、目的外の作用が副作用となる懸念がありました。

本研究において、NIBIOHNと京都大学大学院薬学研究科(京大院薬)の連携プロジェクトであるCDDR先進バイオ医薬品プロジェクト 研究員 兼 京大院薬 助教(クロスアポイントメント兼務)の秋葉宏樹と、鎌田春彦 同プロジェクトリーダー、永田諭志 CDDR抗体デザインプロジェクトリーダー、及び津本浩平 東京大学大学院工学系研究科教授(研究当時にCDDR招へいセンター長を兼務)らは、藤田純三 大阪大学大学院生命機能研究科 日本電子YOKOGUSHI協働研究所 特任助教(常勤)、難波啓一 同特任教授(常勤)、京大院薬 大野浩章教授らとともに、TNFR2に1:1結合することで、天然型の抗体が引き起こすアゴニスト機能を不活性化し、優れたアンタゴニストとしてのみ機能するBpAbの創出に成功しました。TNFR2は制御性T細胞の活性化を通じてがん免疫の抑制に関わると考えられており、本研究で創製したBpAbは、がんの治療薬として開発されることが期待されます。

本研究の成果は、NIBIOHNの特許技術「エピトープ均質化抗体パネル*2、ならびにその作製方法および利用」を基盤にして得られ、本成果が「エピトープ領域架橋型バイパラトピック抗体、及びそれを製造する方法」として特許に登録されています。本技術は、他の受容体に対しても、優れた機能を有するエピトープ領域架橋型バイパラトピック抗体の創製に広く活用され、高機能抗体医薬品の開発を促進すると期待されます。更にBpAbは人工的に作製される抗体であるため、既存標的に対しても特許性の高い抗体となることが期待されます。

本研究の成果は、2023年9月27日にCommunications Biology誌にオンライン掲載されました。

ウェブサイト: https://www.nature.com/articles/s42003-023-05326-8

詳細は、こちらをご覧ください。

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