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国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所

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研究概要

肺炎球菌感染症

背景

  • 肺炎球菌は市中肺炎の主たる原因菌であり、薬剤耐性化が強く懸念される主要な病原細菌の一つです。

研究内容

  • パンゲノムワイド関連解析(pan-GWAS)により、肺炎球菌の病態と関連する細菌遺伝子を網羅的に探索しています。
  • 病態と関連する遺伝子について分子生物学的な実験を行い、病態形成における役割を明らかにすることで因果関係の解明を行います。
  • 肺炎球菌が高齢者の肺炎死亡率に大きく関与していることから、若齢と老齢の宿主で免疫応答の違いをシングルセル解析や空間遺伝子発現解析によって比較します。
  • 期待される成果:高齢者に特有の免疫応答の変化を解明することで、新規ワクチンや免疫賦活療法の開発につなげます。

化膿レンサ球菌感染症

背景

  • 劇症型溶血性レンサ球菌感染症は壊死性筋膜炎やショック症状を伴い、致死率が30〜40%に達します。発症機構には未解明の部分が多い疾患です。

研究内容

  • 劇症型および非劇症型由来株の全ゲノム情報を比較し、パンゲノムワイド関連解析を実施しました。これまでの解析により、劇症型株に特有の系統は存在せず、感染過程での変異蓄積によって劇症型が散発的に生じる可能性が示されました。
  • CovR/S二成分制御系以外にも複数の遺伝子変異が劇症化に関与することが明らかになっており、現在はそれら変異の機能解析と新規予防薬・治療薬の開発を進めています。
  • 期待される成果:劇症化を予測するバイオマーカーの発見や、病原性を抑える創薬標的の提案が期待されます。

微生物叢解析

背景

  • ヒトの皮膚や口腔、腸には多様な常在微生物が共存しており、そのバランスは健康増進や疾患発症に大きく影響します。

研究内容

  • メタゲノム解析や細菌シングルセル解析を用いて、培養が難しい微生物を含む常在微生物叢の構成や機能を詳細に解明します。
  • 有用な遺伝資源や薬剤耐性遺伝子の存在を調べ、どの程度常在微生物叢内で種の壁を越えて遺伝子が伝播するのかを解析します。
  • 期待される成果:薬剤耐性遺伝子の拡散メカニズムを理解することで、耐性拡大を予防する新しい方策やプロバイオティクス開発に寄与します。

 

研究手法と特色

  • マルチオミクス解析:ゲノム・トランスクリプトーム・プロテオーム・メタボロームなど多層的なデータを統合し、病原性や宿主応答を総合的に理解します。
  • シングルセル解析技術:単一細胞レベルでの遺伝子発現や細胞間相互作用を解析します。
  • 計算科学・機械学習:大規模なゲノムデータやメタゲノムデータを解析するために、バイオインフォマティクスおよび機械学習技術を駆使します。
  • 臨床連携:病院や公衆衛生機関と連携し、臨床サンプルから得られるデータの解析や予防法の社会実装に取り組んでいます。

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