国立健康・栄養研究所とは
国立健康・栄養研究所は1920(大正9)年に「栄養研究所」として創立されて以来、100年の歴史を持ちます。歴史を遡りますと、1923(大正12)年の関東大震災の際には、職員総動員で罹災者の救護に当たり、また、大戦末期には食物消費状態の実態を調査し、栄養素等摂取量の集計を行いました。この時の技術は、GHQの指示で実施された国民栄養調査に大いに生かされ、食糧配給対策の基礎データを導き出し、終戦直後の深刻な食糧難を乗り切ることに貢献しました。
そして、1947(昭和22)年に新宿区戸山に「国立栄養研究所」として再出発して以来、長年にわたり逐次の栄養所要量(現在の食事摂取基準)策定や毎年の国民栄養調査(現在の国民健康・栄養調査)の実施にエビデンスを提供してきたほか、各般にわたる研究を行ってきました。
1989(平成元)年には「国立健康・栄養研究所」に改称され、2001(平成13)年には政府の中央省庁等改革にあわせて「独立行政法人国立健康・栄養研究所」となり、その後、2015(平成27)年に医薬基盤研究所と統合し、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所が設立されました。これは、2013(平成25)年に閣議決定された「独立行政法人改革に関する基本的な方針」による独立行政法人の見直しの一つとして、医薬品と食品等の専門性の融合による総合的な研究を推進させようとするものです。
2023(令和5)年には、大阪府吹田市と摂津市にまたがる「北大阪健康医療都市」(健都)に移転を果たしました。
今後も、食生活や運動を通じた生活習慣病一次予防のための研究、健康食品や栄養療法についての各種情報提供など、研究所として期待されている大きな役割をしっかりと果たし、現状の研究機能が発展・強化されるように努力してまいります。
沿 革
1920年(大正9年) 栄養研究所設立。
1921年(大正10年) 小石川駕籠町の新庁舎に移転。
1938年(昭和13年) 厚生省創設に伴い、内務省から厚生省に移管。
1947年(昭和22年) 国立栄養研究所に改称。
1948年(昭和23年) 新宿区戸山町(旧陸軍軍医学校庁舎)に移転。
1989年(平成元年) 国立健康・栄養研究所に改称。
1992年(平成4年) 厚生省戸山研究庁舎へ移転。
2001年(平成13年) 厚生労働省創設に伴い、所管が厚生省から厚生労働省に移る。
2001年(平成13年) 独立行政法人国立健康・栄養研究所となる。
2015年(平成27年) 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所となる。
2023年(令和5年) 大阪府摂津市健都イノベーションパークNKビルに移転。
2024年10月1日更新