第1回 健康的なアジア太平洋のための栄養と身体活動のワークショップ
第1回 健康的なアジア太平洋のための栄養と身体活動のワークショップを開催しました。
【テーマ】:国民の栄養と身体活動に関するサーベイランスの強化に向けた教育・研修
【開催日時】:2024年11月28日(木)10時00分-16時00分 オンライン形式
【概要】栄養と身体活動のサーベイランスの実施は、国民の健康状態を把握することで取り組むべき課題が明らかとなり、国民の栄養不良の二重負荷を改善する糸口となる重要な事業です。しかし、全ての国において調査が良好に実施されているとは限りません。そこで今回、栄養と身体活動に関するサーベイランスの各国の課題と目標のギャップを特定し、そのギャップを埋めるための教育・研修の方向性についてブレーンストーミングを行うことを目的としてワークショップを開催しました。ワークショップには、7か国24名の研究者と2名の当所(日本)の研究者がオンラインで参加しました。
グループ間の議論では、調査票の妥当性と信頼性の低さ、調査・分析者の人材不足、多民族国家におけるデータ収集の難しさ、不十分な社会実装などが課題にあがりました。これらの課題解決に向けて、データ収集法の標準化、対象者別の最新技術を含めたデータ分析・管理法、調査の認知度と重要性を高める普及法、調査関係者との連携強化に関する教育・研修が提案されました。これらの教育・研修の実現に向けて、今後の更なる国際連携の強化を進めることを確認しました。これらの議論を通し、参加者からは、他の国の状況や知見を知ることができたとの声が聞かれました。
〇プログラム
プログラム冊子 (限定公開・後日)
ワークショップ集合写真
グループワークの様子
1)講演
「栄養情報システム(NIS)の強化による栄養改善」
非感染性疾患予防と健康増進局 エリサ・マリア・ドミンゲ・ミュリエル
Video(限定公開・後日)
「ケーススタディ:ラオス人民共和国におけるヘルスマネジメントインフォメーションシステム(HMIS/dhis2)の強化による栄養データ管理と意思決定の改善」
WHO ラオス事務所 アカラ・ウペンドラ・ジャヤティレケ
Slide(限定公開・後日)
2)カントリーレポート報告
「日本と参加国のラーベイランスシステムの特徴と課題」
国立健康・栄養研究所産官学連携研究センター国際連携栄養研究室 室長 山口美輪
3)グループディスカッション
4グループに分かれ、グループ毎に課題を選択し、課題とありたい姿のギャップを探し、ギャップを埋めるための方法をブレインストームしました。
4)報告書(英語)
報告書 (限定公開・後日)
5)総合討論での質疑応答
質問 | 回答 |
Dr. Achala Upendra JAYATILLEKE (WHO Lao PDR)への質問
複数のデータソースから得られるデータを効果的に管理・統合するにはどうすればよいか。 |
ラオスでは、複数の情報源からのデータを管理し統合するために、体系的なアプローチを採用しています。 (i) 集中型データリポジトリ:DHIS2を基盤として全国的なデータウェアハウスを開発し、情報の統合と分析を効率的に行います。これはHMISのバックボーンとなります。 (ii) 相互運用性の強化:標準化されたツールとプロトコルを活用し、さまざまなソースからのデータを統一プラットフォームに統合する。 (iii) 能力開発:一貫性と正確性を確保するために、標準化されたデータ収集と報告方法に関する研修を医療スタッフとボランティアに提供する。 (iv) テクノロジーの利用:モバイルアプリケーションとGISツールを活用し、特に遠隔地やサービスが行き届いていない地域において、タイムリーで正確なデータ収集を可能にする。 |
WHO CCへの質問
日本の国民健康・栄養調査は、全国レベルだけでなく、調査地域別のデータ分析も行っているのか。 |
都道府県別の比較が行える。平成28年と平成24年の国民健康・栄養調査は調査地区を拡大して実施された。令和6年度調査は、全国の代表値の把握に加え、健康日本21(第三次)のベースライン値を得るとともに、生活習慣等の地域格差の把握を行うことを目的とし、調査地区を拡大した調査(大規模調査)を実施する。
資料:健康日本21(第三次) :国民の健康づくり対策を総合的・計画的に推進するための、健康づくり運動
資料:国民健康・栄養調査 企画解析検討会「令和6年国民健康・栄養調査の企画について(案)」R6.7.23~25(日本語) |
(2025年3月28日)
お問い合わせ:nihn-intl[at]nibn.go.jp ( [at]の部分を変えてご送信下さい)
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